山口県最低生計費試算調査結果-子育て世帯モデルについて      
                            2020年1月30日
山口で子ども2人を育てるには500万円~714万円が必要
   
      山口県労働組合総連合(山口県労連)では、2019年5月に若者が1人暮らしをするための費用を公表しました。(詳細はこちら)
 今回は、山口で子どもを普通に育てるためにはどのくらい費用がかかるのかを明らかにしました。 

◇調査方法
 具体的には、主に県労連に加盟する各単産の労働者を対象に、生活のパターンを調べる「生活実態調査」および持ち物をどれくらい所有しているのかを調べる「持ち物財調査」を実施し、その結果を精査し生活に必要な費用をひとつひとつ丁寧に積み上げいく「マーケット・バスケット方式」によって最低生計費を算定しました。この調査には、2029名が回答をし、そのうちの30代208ケース、40代368ケース、50代207ケースのデータを分析した結果です。

◇結果
 山口市内で子どもを普通に育てるためには、30代で月額416,118円、40代で月額517,539円、50代で月額595,152円(ともに、税・社会保険料込み)が必要であり、これを年額に換算すると、30代で約500万円、40代で約621万円、50代で714万円になります。

 今回の調査によって、生計費は年代が上がるにつれて増加していき、実際の賃金とのギャップはますます拡大していくことが明らかになりました。生計費を押し上げている主な要因は教育費です。もちろん、賃金の底上げは喫緊の課題ですが、生計費をすべて賃金でまかなうことは暮らしからゆとりを奪うことにもつながります。子育てに関する費用はできるだけ社会でまかなうことができるよう、社会保障制度の充実も望まれます。

                 ※ 資料1(調査結果について)PDF
                 ※ 資料2(調査結果報告書)   PDF